二畳半生活

ぼんやりとした概念を具体化する作業途中です

『知的生活の設計』読書メモ

 新年も明けて3週目です。会社が始まってから一気に今年度ももうすぐ終わりかという気分が沸き立ってまいりました。あと2か月ちょっとの終わるまでに片付けなければならない仕事、楽しいイベント、旅行等やりたいことも複数あるので、風邪等ひかない程度に活動していきたいです。

 さて、新年最初の記事で立てた年10回更新の目標を達成するために、ああ、こんな内容見せられないという羞恥心やこの内容、誰かの二番煎じじゃないだろうかという考えを捨てて、今年は読んで良かった本はできる限り紹介していきます。

 

 それでは堀正岳さん著の『知的生活の設計』についての読書メモです。

 〇この本を手に取ったきっかけ

 本屋さんで平積みされていたところを見かけ、著者の名前を見て買いました。

 実は、著者の前作『ライフハック大全』が、仕事を始めやりたいことを実現するための時間が上手く捻出できずにいた私に大変効きました。

 そのような経緯で、この人の本なら役に立つのでは…!と思い読みました。

 

 〇読んだ感想

 『知的生活の設計』では『ライフハック大全』から進んで、中長期的な目標を達成するためにはどうすればいいのかについて書かれています。

 特に気になった内容としては以下の通りです。

 

 ・全体像について概算しよう

 知ってしまえばその通りなのですが、新しい大き目の課題、目標に取り組む際、または好きなことを深堀していく際には、1年間、またはより大きな5年間、10年間でどれだけの分量進みたいのかを考えて、1日の行動を決めましょうという指摘がありました。

 これまで、目標達成にはただ漫然と始めたいと思ったらできる範囲で手を動かして、飽きたら満足することが多い人生だったので、長期的な目標及びそれを達成するための1日の作業量について計画的に考えると継続しやすくなるのかと知れよかったです。

 また、知的生活において、初めて1年目は何かを始めた模索段階です。習得できるものは基礎部分で終わることが多いですが、それで自分の進歩・仕事の小ささに病むことなく、続けることが大事だそうです。すこしばかり耳が痛い。

 

 ・アナログ情報の検索性を高める

 アナログなツールで情報を整理している場合、検索しやすくする工夫が必要です。

 本書では、紙のノートについては重要そうなページの目録をデジタル化すること、情報カードは電子化することを勧めています。

 昔の日記、紙のメモは、気軽に取れますし、読み返すと忘れていた発見、感情に出会えて面白いのですが、具体的な情報の検索性は電子に劣るので、簡単に必要な情報を手に入れられる制度作りは重要です。目録作りはさっそく初めてみようかなと思ったことの1つです。

 

 ・情報は発信することで価値が高まる

 『ライフハック大全』でも出てまいりましたが、情報は積み上げるだけでなく、発信することで価値が高まります。

 理由として、①情報を誰かに伝える際に自分の中で整理されるため、②情報を発信することにより、情報が集まる傾向にある、という2点を著者はあげています。

 ②の境地にはまだたどり着けていないのですが、自分用のメモでなく、インターネット上のブログに、誰かに説明するために書くことは、情報理解の促進、伝える技術の訓練にはなるなと思います。

 量は質を伴うので、これからも、無理ないペースで読書メモなど書いていきたいです。

『知的生活の設計』では上記の内容についてさらに詳しく、書斎(文字だけでわくわくします!)の作り方、知的投資のためのファイナンスなどについても書かれていましたので気になった方は手に取ってみてください。

 

追記

 〇『ライフハック大全』について

 『ライフハック大全』は、仕事や生活でつかえる小技・習慣が250個も紹介されています。

 これだけ数が多いと、始められるかもしれないと思える小技が1つは見つかります。今すぐに実践せずとも、手法を知っておくことは、今後時が来た時に役立つ可能性があります。

 

 一気に生活を変えることは難しいので、本のカバー袖に書いてある、興味のある所だけ読んで実践できるという、出来る範囲から始めてみましょうというユルいスタンスもも素敵でした。

 

 自身、毎日小さなトレーニングをしてみる、言葉で性格を変えてみる等の始めやすいものをいくつか取り入れたら、すこし前に進めたように感じられ、このまま仕事に忙殺され成長できないんじゃないかと悩んでいた気持ちが軽くなったことを覚えています。

 著者が道具・アプリを具体名をあげていくつか紹介しているので、詳しく知らない分野(私にとってはアプリ利用した英語の学習法、webでのログ手法など)について、始めるとっかかりが見えるという点もよかったです。

 

 

『知ってるつもり 無知の科学』読書メモ

 新年あけましておめでとうございます。

 昨年度は記事の更新が5本の指に収まる程度だったので、今年はその倍、10回のブログ更新を目指していきたいです。

 

 更新が滞る原因として、自分の場合は本を読む時間が確保できていない、本の内容を文字にするのがおっくう、の2点がハードルになっていると考えました。

 対策として、筋トレも兼ねて鞄に常に本1冊入れる、低クオリティでも書いたもの勝ち、最初から上手く作れる人はほとんどいない、を心がけ、自分なりにペースを作って習慣化していきたいなと思います。

 

 さて、新年最初の読書メモは、スティーブン・スローマン、フィリップ・ファーンバック著の『知ってるつもり 無知の科学』です。

 

 こちら、購入した書籍に全面帯がついており得した気分になりました。帯だけに表紙裏表紙ともに推薦文たっぷりの賑やかなデザインです。なお、著者、翻訳者より推薦者(ユヴァル・ノア・ハラリ氏、佐渡島庸平氏、森川亮氏など)のほうが名前が大きく書かれており、それだけ著名な推薦者は本が売れる材料になるのかと勉強になりました。

 

 感想ですが、序章、1章の吸引力がすごい本です。

 ソクラテスの有名な言葉に無知の知があります。無知の知という言葉を知っていても人間は謙虚ではいられない、知ったつもりでいきているという「知識の錯覚」をあらわにするために、第五福竜丸事件が起きてしまった理由、トイレの水が流れる仕組み、ファスナーの仕組み、自転車を描こうとあらゆる例を使ってきます。読んでしまったが最後、本のペースに載せられ見事に自分の無知が暴かれてしまいます。

 その後の勢いで、無知なのに知ってるつもりはなぜ起こるのか、そもそも我々はどのように判断するのか、チーム上、機械を利用した場合、社会的コミュニティ上ではどのような判断が行われやすいのか等のいくつかの主題について、具体例を伴って説明されます。

 

 取り上げられている話題が豊富で、ブログ1本ではまとめきれないため、気になったらばこの本を読んでくださいが一番適切な回答になるのですが、読んでいて面白かった主張をいくつか書いて結びとします。

 

・見たことあると説明出来るは異なる

 (テストの成績が思っていたより悪い理由はこの見たことあるを知っているに錯覚することによるそうです。見に覚えがありすぎる。)

・物語は因果関係、教訓だけでなく、物事に対する姿勢も伝えている。

 (歴史学の意味に対する1つの回答ではないかと思いました。ただしその後著者が物語はときに過剰に物事を単純化すると記してる通り、限界もあるとは思いますが)

・ジャスト・イン・タイム教育

 (知識はちょうど必要とする時に情報を得ると役に立ち、学んだ内容を実践するため定着も早いというもの、まさにその通りと思いました。)

 

追記:なぜこの本を読もうと思ったのか。

 昨年は行動経済学の本を何冊か読み、この分野の研究結果が自分にもたらした意識の変化に驚いた年でした。

 人生を変えたと書くと怪しいセミナーか学習教材勧誘のおまけ漫画のようですか、特にダン・アリエリーさんの著作を読み、人間の頭の悪さ、不合理さ、親切さそしてずるさを知ることで、人生が大分生きやすくなりました。

 スーパーの1,000円以上買い物で割引券配布の言葉に載せられ余計な買い物をしたとき、確定申告などやらなければならないのにやりたくない仕事を先延ばしにしたとき、もう読み返す事はなさそうな本を捨てることも売ることも出来ず本棚のこやしにしてしまっている等の、日常のささいな失敗に説明がつけられ、失敗しても自己否定しすぎないようになった気がします。

 

 そんな明日からでも使える行動経済学の本で、次になにか面白い本は無いかとインターネット状を探していたときに、ぶつかったのが認知科学の分野です。

 認知科学とは、人間の知的システム、知能の働きを解明しようとする研究分野です。行動経済学が実験等により観察された結果を経済学の数理モデルに落とし込む学問に対して、認知科学は人間の考え方の仕組みそのものを研究対象にしているようです。

 完全に分けられるものではないでしょうが、行動経済学の中でも経済学的な話より心理学的な話の方が読んでいて興味を持つことが多かったので、今度は認知科学の本を読もうと思い、書店で激押しされていたため、新しい本も良いかと思い手を出しました。

 その点では、まだ認知科学とはなにか、が上手く説明出来ないので、次は認知科学の基礎的な内容が中心の本を読むのが良いかなぁと思いました。

『実践!交渉学 いかに合意形成を図るか』読書メモ

防備録メモシリーズです。

行動経済学本の連続から趣向をかえて、交渉学の本を読んでみました。

実は交渉学本の前に話題のダニエル・カーネマンさん著『ファスト&スロー』も読んだのですが、

こちらの本は丁寧に各章末の後ろにまとめがついているので内容まとめなくてもいいんじゃないかと思ったのと、ページ数以上に内容が濃いため、まだ文書にできるほど整理ができていないのでまた今度書きます。

2、3回読み直した方が良い印象であった。

 

話が戻って松浦正浩さん著の『実践!交渉学』の感想です。

○この本を読んだきっかけ。

実はこの本昨年の今頃買いました。かったきっかけは仕事です。

当時仕事で、社内の人に頼み事をすることが多くかったのですが、頼み方が下手なのか期限までに成果物をいただくことが出来ませんでした。もっと上手に依頼出来ないかと考えた結果この本を買いました。

とはいえ、買った当初は内容が身に入らず今まで積ん読していたのですが、仕事内容が変わって落ち着いた今あらためて読んだら面白かったです。

○興味ぶかかったないよう内容

・交渉≠コミュニケーション

交渉は当事者同士の利害調整を指すのに対し、コミュニケーションは交渉に限らず情報伝達が目的です。コミュニケーションも交渉の一部ではあるのですが、それだけが交渉ではないということです。

BATNAとZOPA

BATNAとは次善の策です。ある交渉をするときに事前にその代替案を調べ、BATNAを見つけることで、合意形成が交渉の目的化することを防げ、かつ交渉の際に余裕が生まれます。

ZOPAとは合意可能領域です。ある交渉において、自分側のBATNAより条件が良い状態かつ相手側のBATNAよりも条件が良い状態の幅をさします。

ZOPAが大きいほど、合意形成の際に自分の利益を増やせる可能性がでます。反対にZOPAがない場合は、その交渉はするべきではありません。万が一お互い譲歩の上合意したとしても、お互い利益を得ることがないためです。

ただし、一つの条件ではZOPAがなくとも別の価値を交渉に持ち出すことで、お互い利益を得ることは可能です。(商品の値段を割り引くかわりに発注量を倍にするなど)相手と合意を形成したい場合は、相手が何に最も価値をおいているのか知る必要があります。

 

そのほか後半では利害関係者が多くなる社会的合意形成についても記してありました。

 

○きっかけに戻って

本を読んであらためて考えると、昨年度社内で仕事を依頼する際にうまい頼み方はないのかと悩んでいた問題への回答は、当方(3日後にやってほしい)と依頼相手(より優先度が高い仕事があるので5日はかかる)にZOPAがなかったためうまく行かなかったのだなぁと諦めがつきました。今度は気合で乗り切るエナドリのようなコミュニケーション系交渉術の本も読んでみたいと思います。

 

 

『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』読書メモ

 大型台風が過ぎ去ったら夏の暑さも落ち着いてまいりました。前回の記事で月1の更新を目指すと書きましたが、有言不実行になってしまいました。残念。

 

行動経済学の本3冊目を読んだので読書メモです。他のアリエリーさんの本とかぶる内容もあったため、気になった内容のみ抜粋しています。

 

○創造性と不正

人の特徴として創造的と聞くと、長所として捉えられる。けれど、創造的な人ほど不正を起こしやすいことが実験結果からわかったそうです。創造的な人ほど規則をやぶる言い訳をつくるのがたやすい、また自分のつくった言い訳に納得しやすい傾向があると考察しています。

なお創造性と不正の関係を調べる実験を行う際に知能の高さも関係があるか調べたところ、創造性と不正には相関関係がありますが、創造性と知能の高さには相関関係が見られなかったそうです。

 

○監視と不正

人は概ね監視されると不正が減るそうです。監視しているものは人でなくとも人のイラスト(目線が向いているものだとなお良い)でも効果があることが実験で示されました。

ただし、グループでの作業の場合、親しいメンバー間での作業、また自分の不正が相手に利益を与える不正を行いやすくなるそうです。

 

○感想

本書で取り上げられているテストやアンケートの結果から、人間は自身も含め適度に不正をする生き物と認識するべきです。特に、自分については不正の可能性を低く見積もりやすいそうです。

その上で不正に対してどう対処するか(ある程度は許容する、できる限り対策する等)を問題ごとに考えるべきなんだと思いました。

 

『不合理だからうまくいく』読書メモ

 こうも蒸し暑い日が続くと会社に行って帰ってくるだけで疲れてしまい、日々だらだらと何も生産せずに終わりそうです。

 そんな自分に活を入れるためにも1ヶ月1本くらい文章を書こうかと思います。習慣化は苦手ですが続くといいな。

 

ダン・アリエリー著『不合理だからうまくいく 「行動経済学で人を動かす」』を読み終えたので忘れないうちに感想です。

副題からわかるように、行動経済学の本です。ちなみに行動経済学とは、人助け、リスクの軽視等、実際の人間は合理的な経済学での仮定の通りには動かない現実を踏まえ、人間がどのように行動するのか観察によって理解しようとする学問です。

簡単に書くと人間が実際はどのような原理で行動し、判断するのかを努める学問であり、知っていると生活の中で判断する際の助けになるように思います。

 

実はダン・アリエリーさんの著書を読むのは2冊目です。以前読んだ『予想通りに不合理』からの次回作なので出版された順に読んでいますが、ノンフィクションかつ難易度はどちらも同じくらいなので内容はどちらから読んでも問題ありません。

 

内容の違いとして、著者は前作は人間がもつバイアスのうち不合理な面を掘り下げたものであるのに対し、

『不合理だからうまくいく』は不合理性を掘り下げて、良い面を広げる内容にしたこと、またこちらの方が取り上げているテーマに、個人的な色合いが強いと、序章で紹介しております。

個人的には前著は交換、売買といった経済的なテーマが多かったのに対し、本作は人の感情のようなより心理的なテーマを多く扱ってるように感じました。

 

●感想というか気になったところ

□無駄作業はやる気をそぐ

上司の指示で資料を作ったけれど、状況が変わりあなたが作った資料は使いません、という経験がある方もいるかと。

実感通りそのような経験は発生する給料に変化がなくとも仕事に対するモチベーションを大きく引き下げます。

逆に仕事に意味を与えるとのモチベーションは高まります。

上のような状況の場合のモチベーションの保ち方がわからないのですが、自分で意味を見つけるなり、修行だと思うしかないのでしょうか。

 

□辛いことは一気に楽しいことは休み休み

夏休みの宿題の片付け方は大きく分けて、1最初に一気に片付ける、2日々コツコツ解く、3最後に急いで終わらすの3種類があるかと思います。

行動経済学の知見を使うと、夏休みの宿題の苦痛が小さいのは1,3のパターンということです。一方的夏休みの楽しみの効能が一番高いのは宿題というインターバルを挟んだ2なので、どのように宿題を片付けようと夏休みは楽しいという結論が出ました。

 

冗談はさておき私は漫画等はよく一気読みをしてしまうのですが、1巻づつ読んだ方が効能が高いので今度試してみようと思います。

 

あとこの考え方を準用すると、買い物は一気に買うよりも少しづつした方が同じ額の買い物によって得られる効能が長続きするとのことです。

高いものを買うと判断基準のアンカーが高いところに位置してしまいすぐにまた別のものが欲しくなリますが、ここは一旦幸福感が消えるまで待ってから買った方が幸福感のコスパが良いそうです。

これは人間死期がわからないので、幸福感のコスパを考えて買い物をした方が、総量が多いとは限らないため行動に移すかは個人次第ですがお金を貯めたいときは使えそうです。

 

□感情によって判断・行動が変わる

結論からかくと、何らかの感情が高ぶっているときは特に重要な決定は下さないほうが良いということです。

理由として、実感に非常に近いですが、例え理不尽に怒られる等不愉快なことがあると、そのことが終わった後も別の決定がその感情に支配されることがあります。感情により普段とは違う行動を起こすことがあるのです。

その決定への影響は一時的なもののように思いますが、「普段と違う行動」という前例を作るということは非常に影響が大きく、この前例が不愉快な感情を忘れた次回以降の決定にも影響を及ぼしかねません。

嵐が過ぎ去るのを待ちましょう。

 

 最後に余談ですが、現在、行動経済学ダニエル・カーネマン著の『ファストアンドスロー』と、アリエリーさん3冊目の『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』も少しづつ読んでいます。

なぜこんなに行動経済学の本を読んでいるかという理由として、著者が述べるような知識が判断の助けになるという理由以上に、脳や人間の癖がわかると、行動で失敗したときに、行動経済学の事例に当てはまっていたら「これは人間の癖だから仕方ない、次は気をつけよう」という風に気分を切り替えられるからです。

行動経済学は失敗すると落ち込みがちな人間にはありがたい知識であり、失敗を許せることで挑戦も増えるのではと期待しています。

 

ともあれ行動経済学は面白いぞ!

また次も読んだら感想を書きます。

『予想どおりに不合理』感想その1

 ダン·アリエリー著の『予想どおりに不合理』を読んで思ったことを書きます。

 本書で取り扱っている主題は行動経済学ですが、人間の癖(考え方、行動の癖)とお金についても本書では大きく述べられています。私は特に読んでいて、お金について書かれた部分に興味を持ちました。該当内容を要約すると次のとおりです

 

 モノの価値評価について、新しい製品の価格の決められ方、社会規範と市場規範、無料に弱い人間、価格とプラシーボ効果、電子取引と現金の違い、等等

 複数の面白そうな問題を取り上げているている本書ですが、中でも電子取引と現金の違いについて実体験もあり考えさせられました。

 

 本書で著者は、現金に比べて代用貨幣や電子商取引は不正が起こりやすいと述べています。理由としては2点あり、①特に電子取引の場合物理的なやり取りがないこと、②代用貨幣では現金に比べて良心が働きづらく、不正が可能な状態では衝動的行動をしやすいことを上げています。後者の例を示すと、共有の冷蔵庫にビールがある場合と500円玉がある場合、前者の方が盗まれやすいというものです。

 最後にこれから電子取引がさらに盛んになる中で、どのように不正を抑制していくかが課題であると述べています。

 実感として現金に比べて、クレジットカードの方が衝動的にお金を使いやすいように感じます。(店舗に行きほしいものを持って帰る手間に比べてネット通販のがお手軽というのもある)

 ただ、読んでいて引っかかったのは現金自体も元は金、銀等の代用品であり、価値を持ち出したのはここ数百年の時代からです。

楽観的かもしれませんが当たり前電子取引が当たり前の時代で育った世代になると、現代人には薄い代用貨幣に対する良心も自然と生まれるんじゃないかと思えました。

 ただ、現金と資本主義の発展が同時期なことを考えるとそう簡単にもいかないのでしょうか。

 あと、現金もって駄菓子屋行ったりとか、親からの指摘とか幼児期の価値あるものという刷り込みの、倫理感への影響は大きいかもしれません。

 

 最後ですが興味深い本だったので、また考えがまとまったら何か書きます。なので感想その1。

社会の歯車になりたかったのだが

 最近全く文章を書いていないことに気づき、ブログでもまた書こうかと引っ張り出してきたら4年近くもも前のブログが消されずに残っていた。

 こちらが帰って来たい時に居場所を提供してくれるインターネットの懐の深さをありがたく思うと同時に、中高生の頃に作っていつの間にか書かなくなったブログも生きているのかと思うと頭が痛い。

 

 最近は学生のとき、あれほどなりたかった社会の歯車になっているのだが、勝手なのかなる前の想像力が足りなかったのか、日々辞めたさが押し寄せてくる。

 眠くても寒くても天候が悪くても時間に間に合うように家を出る、満員電車、定時前の机ふき等業務準備、長い8時間、痛くなる腰と肩、悪くなる視力、定時で終らない仕事、定時後の業務依頼、入社する前は断る気だったのに、顔色を見て2回に1回は断りずらい飲み会、読めずに溜まってく本、行き場のないつらさ等等、

 社会の歯車とはこんなに大変だったのかと、毎日駅であれだけの社会人とすれ違いながらいかにその本質を知らなかった、知ろうとしなかったのかと、日々反省と後悔のボタンを連打している。

 

 これだけ文句がとはいえまだやめないのは、転職先が見つからない以外に理由がある。今の仕事でまだやりたい目標に達成していないのと、一人じゃ出来ない事を会社で、それぞれの役割にしたがってやるのはいいなぁと思うのと、最後にこれが一番の理由なのだが、自分で稼いだお金で好きなもの、好きなこと、新しいことをする喜びは大きい。お金は正義だ。ので、無理のない程度にまだ続けたい。

 

 あと今年はもっと本を読んでアウトプットもしていきたい。